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コンピューター対人間 [テレビ・映画]

ウォーゲームのことではありませんが、関連するとがあったのでアップします。

 

 今日の「囲碁将棋ジャーナル」は渡辺竜王とコンピューター将棋「ボナンザ」との勝負の話。非常にいい番組だった。

 結局コンピューターが負けたのは読みの深さと局面評価の問題と分かった。

 全幅検索でルール上全ての手が読めるとはいえ、多ければ時間がかかるので、制限時間がある以上、一手にかける時間を8分30秒と制限しており、それで読みの深さが制限される。しかし決定的だったのは、終盤に攻撃的な24歩か守備的な27香かを選択した時(ボナンザが先手)。ボナンザは前者を選択したが、後者なら馬の引きつけの威力でボナンザが圧倒的有利になった。これは渡辺竜王は分かっていて、そうなったら負けと読んでいたとの事。が、ボナンザはそれを選択しなかった。たぶんこの手とその後の進展の結果の評価点が低かったからだろうが、この馬の引きつけによる自陣強化をちゃんと評価していたかが問題。相手との評価が180度違うからだ。これは作成者の棋力によるので、今回点数評価の基準を誰が定めたかが問題。「馬の守りは金銀3枚」という格言を知らなかったのかも。

番組はプログラムを組んだ人に焦点を当てていたが、彼は将棋は初心者なので、誰が評価基準を定めたかについては不明。しかし、これはつまり、時間単位で読める手数を増やすハードの強化と、正当な局面評価のできる基準が設定できれば、ボナンザはプロに勝てるということだ。

前者は時間の問題で実現できそうだが、後者は結局、プロ級の人が協力する事が必要。それも可能だろうが、その場合、本当にコンピューターがプロに勝ったと言えるのか。大事なところはプロの人間に協力してもらう事になる。結局、いかに素晴らしいAIも最後は人間に頼る事になるという、少し安心できる結論。これは将棋に限らないだろう。判断基準は人間が教えてやらないといけないのだ。

 多くのSFにあるAIの暴走による悲劇は、全てこの判断基準の狂いによるといっていい。それが元々の問題か、落雷のようなアクシデントにアクシデントによるかはいろいろだが。


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