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マッカーサーの帰還:レイテ1944-前説 [レイテ1944]

このゲームはコマンドマガジン日本語版の別冊として1999年に発売されたものですが、元はアバランチ・プレス(Avalanche Press:AP)というメーカーから出ていました。
APからは同システムで「オペレーション・カニバル」というのが出ていまして、その第2弾という位置づけだったと思います。
「オペレーション・カニバル」はビルマ戦線の「第一次アキャブ戦」というマイナーテーマですが、日本陸軍モノがほとんどないこのホビーでは貴重だと思って買いました。ソロプレーを1回やったのですが、一本道を南下してくる英軍がアキャブに到達する以前に日本軍がそこに陣地を築けるかというだけのゲームなので、それきりです。しかしこのシステムの習得ゲームとしては最適でした。
「レイテ44」はそれほど単純ではなかったのでよかったです。

そのシステムというのは、チットを引いて行動を決めるというもの。その行動というのは、移動・攻撃がフルでできるもの、移動だけのもの、攻撃だけのもの、どちらかを選ぶもの、「ハーフ」といって半分で移動するか半分の確率で攻撃だけするものという種類があって、ターンの最初に規定された数だけそれらに対応するチットを選んで双方カップに入れ、ランダムに引いて出たものを実行していくというものです。
つまりは単純な移動-戦闘システムを少し工夫して、手番とできることのランダム性を持たせたというだけで、それ以外の個々のルールは補給にしろ移動にしろ戦闘にしろ特に変わったものはありません。戦闘解決の前に砲爆撃があって成功すれば相手のステップを減らすことはできるというのは少し特別ですが。
つまりは最初は戸惑うものの、慣れればさくさく進むというゲームです。今回のソロプレーでこのシステムはそういうものだと再認識しました。

「レイテ44」は1944年10月から45年2月のいわゆる「レイテ決戦」をやるものです。1ターンは2日、ユニット規模は歩兵は大隊、戦車は中隊といったところです。
マップはフルで1枚。ほぼレイテ島全域です。勝利条件はレイテ島の10か所の町のうち、12月12/13日終了の時点で米軍が9か所を取っていれば勝ち、それが7か所以下なら日本軍の勝ちというもの。
セットアップでは島には日本軍しかおらず、米軍は島の東から上陸してきます。そのため、このゲームでは上のチットの他に「上陸」というチットがあります。これは日本軍にもあって、いわゆる「逆上陸」ができます。
史実では日本軍は当初の方針を変更し、レイテ島で決戦することとしたために、もともとの守備隊1個師団に加え数個師団を増援で投入したために大激戦になりました。とはいえ、その激戦のほとんどは島の中央部を南北に走る山岳地帯で行われたもので、米軍が島の反対側のオルモック湾に第二次上陸をするに及び日本軍は抵抗しきれずに負けました、というのがこの戦いの概要です。

ゲームでも米軍の戦力は陸軍以外にも海空で圧倒的なので、日本軍は水際での抵抗など放棄して、なるべく速やかに内陸のジャングル・山岳地帯に引っ込むことになります。
このゲームで少し変わっているのは戦闘ルールで、攻撃側は目標へクスに進入する移動力+1の移動コストを払わないと攻撃できません(戦闘はそのものは隣接へクス戦闘です)。つまり移動力のかかる地形にいる防御側は戦闘で有利になるだけでなく、そもそも攻撃側が攻撃資格を得るだけでも大変なのです。当然のことですが、ジャングルが深くなるとか山が高くなるほど移動コストも大きくなります。米軍は日本軍そのものよりも「地形との戦い」になるのです。
例を挙げると、米軍の歩兵の移動力は8か9なのに対し移動コストは平地でも3、ジャングルは最低のレベル1でも4(ジャングル対応部隊は3)、敵ZOCに入るのに+2(ジャングル対応部隊は+1)です。例えば普通の歩兵の場合、ジャングル1に入って敵に隣接するのに6移動力かかるので、もう攻撃のための移動力は残っていません。つまり「フル」チットの場合でも攻撃できるのは次の手番になりますから、次の手番が日本軍になって逃げられたら、また接敵からやり直しです。
かくしてこのゲームでは時間は米軍の敵、日本軍の味方になります。米軍側からすれば「遅々として進まない」という感じですが、圧倒的に劣勢な日本軍としてはそのくらいでないとどうにもなりません。
というわけで日米どちらをやってもそれなりに楽しめるゲームと言えそうです。

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